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総活躍から逃げられますように。

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アベノミクスとかいうワケのわからないものに、フリースクールも不登校も巻き込まれてしまった。2016年は、教育機会確保法案が迷走のあげくに成立し、TPP関連法案も成立し、どさくさにまぎれてカジノ法案まで成立した。アベノミクスというのは、日本の経済が立ちゆかないなかで、とにかく何でもかんでも規制緩和して、市場にできるところは、どこまでも市場化していこうということなのだろう。 資本主義は末期状態にあって、実用性のある商品が飽和状態になって売れなくなっているなか、イメージだけで売れる商品として教育が商品化されていると、佐々木賢さん(元定時制高校教員)は指摘されていた。それは詐欺みたいなもので、だから教育は根本的に疑わないといけないのだ、と( 不登校50年証言プロジェクト#07佐々木賢さん )。 そういう意味では、カジノもいっしょだろう。実体経済ではまわらないから、ギャンブルで経済を活性化させようというのと、イメージだけで教育を商品化して売っているのと、大差はないと言える。フリースクールというのも、イメージだけが肥大化して、「未来のエジソンやアインシュタインを発掘」するといって安倍政権に支持されて、義務教育を市場化していくための道具にされてしまった。フリースクール関係者のなかには、それを歓迎し、教育機会確保法は「一歩前進」だと喜んでいる人もいるが、なぜ喜べるのか、私にはわからない。 一億総活躍というのは、みんなを市場に放り込んで、そこでがんばらせたいということだろう。がんばりたくない人は許されない。がんばれない人も指弾される。だから、過労死やうつが問題になっている。必要なのは、活躍しなくていい場所、「総活躍」から撤退できる場所で、それが保障されることだ。「一億総活躍」に巻き込まれることをもって前進だというのは、「進め一億火の玉」に邁進することと変わらないのではないか。 当面、市場化の進む社会を止めることは難しそうだ。でも、アベノミクスなんて世迷い言を信じて錯覚さえしなければ、逃げ道をつくりつつ、もがいていくことはできるだろう。石川憲彦さん(精神科医)も、「もがくしかない」「破綻からがスタートだ」と言っていた( 不登校50年証言プロジェクト#09石川憲彦さん )。 なんだか大仰な書き方をしてしまったが、「不登校50年」だった2016年が終わる前に、こんなこと