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東京シューレにおける性被害事件について/ひとつの証言として

2019年7月6日、朝日新聞デジタルに “フリースクールでの性被害、和解「居場所の安全守って」” という記事が出た。この記事では当該団体の名前は伏せられていたが、このフリースクールとは、フリースクールの草分けとして知られる東京シューレのことである。私はこの記事で、この裁判について初めて知ったのだが、信濃毎日新聞は、訴訟和解の記事( 2019年7月4日 )だけではなく、その3年前、初公判の際にも記事にしていた( 2016年7月6日 )。しかし、地方紙の小さなベタ記事であったため、ほとんどの人は知ることがなかったのだろう。朝日新聞の記事は、関係者に大きな衝撃を与えたが、東京シューレは「和解したということ以外は話せない」として、沈黙したままだった。その後、朝日新聞が再び記事にし( 2020年2月3日 )、当該団体が東京シューレであることを報じた。これらの記事をもとに、事実関係を整理すると、下記のようなことになる。 ・訴状によると、女性はいじめを機に小学校5年生から不登校になり、1998年からフリースクール東京シューレが長野県に持つログハウスで、宿泊型フリースクールに参加していた。当時、女性は10代だったが、2000年3月から約1年間、成人男性のスタッフから何度も性行為を強要され、親にばらすと脅迫されていた。 ・10年以上たってから、別の被害がきっかけで心的外傷後ストレス障害の症状が悪化し、性暴力被害を相談するワンストップセンターに相談。センターで紹介された病院を受診し、複雑性PTSDと診断され、フリースクールでの性暴力被害が発症の要因と言われた。 ・2016年、当時の男性スタッフと東京シューレを相手に5300万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。 ・2019年7月、訴訟は大阪地裁堺支部で和解したが、裁判の経緯や和解内容については口外禁止となっている。 ・東京シューレは「和解したということ以外は話せない」とし、取材なども拒否していたが、朝日新聞の記者が裁判所で裁判記録を閲覧したところ、当該スタッフと東京シューレは性暴力の事実を認めており、謝罪していたことが明らかになった。 ・原告の女性は和解成立後、報道機関に向けて報告会を開き、「不登校の子どもにとって、学校以外の居場所はとても大切。こうした子どもを守るための場所でも被害は起きるということを多くの人に