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学習会:多様な教育機会確保法案をめぐって

下記のとおり、多様な教育機会確保法案をめぐっての学習会を開きます。 日 時:7月18日(土)18:30~21:00 場 所:フォロ 参加費:500円 法案がどうなっていこうと、いまの教育をめぐる情勢がどういうものであって、今後、どう考えていく必要があるのか、考え合う機会が必要だと感じています。 ※余裕のある方は、下記を読んできていただくと、話を深めやすいかと思います。このあたりをネタ本にして学習会をしたいと思ってます。 ・桜井智恵子さんインタビュー(不登校新聞つぶやきプロジェクト) ・『ブラック化する教育』(大内裕和ほか/青土社2015年6月刊) 法案に賛成だとか反対だとかいうことではなくて、教育をめぐる情勢についての知見を共有して、意見交換ができればと願っています。(NPO法人フォロ・山下耕平)

多様な教育機会確保法案への意見を議員に

多様な教育機会確保法案について、いろんな意見がネット上でも飛び交っていますが、現在、議員連盟内で立法チームがつくられて、法案はそこで討議されています。フリースクール全国ネットワークは 要請文 を作成し、立法チームに渡していますが、それでは不足していると思う意見があれば、議員に直接、届けてはどうでしょう? 下記、立法チームの議員と、そのサイト(メールフォームなど)です。 (自民) 河村建夫  http://www.tspark.net/jimusho/ 馳浩  http://hase-hiroshi.org/contact.html 義家弘介  http://www.yoshiie-hiroyuki.com/inquiry/index.html 萩生田光一  http://www.ko-1.jp/ 石井浩郎  http://ishii-hiroo.jp/contact/ 二之湯武史  http://www.ninoyutakeshi.jp/supporter.html 水落敏栄 ※サイトは見当たらず (公明) 浮島智子  http://www.t-ukishima.net/ 富田茂之  http://www.shigeyuki-tomita.com/renraku.html 秋野公造  http://akino-kozo.com/inquiry.html (民主) 笠浩史  http://ryu-h.net/contact/ 林久美子  http://www.93co.jp/site/?page_id=44 郡和子  https://www.koorikazuko.jp/contact/ 神本美恵子  http://www.kamimoto-mieko.net/contact/ (維新) 井出庸生  https://yousei-ide.com/address/ 牧義夫  http://makiyoshio.jp/email/ 柴田巧  http://www.shibatatakumi.com/mail.htm (共産) 畑野君枝  http://www.hatano-kimie.jp/mail/ 田村智子  http://www.tamura-jcp.info/form (社民) 吉川元  htt

多様な教育機会確保法案を考えるうえで

多様な教育機会確保法案は、今国会に上程すると言っているので、悠長なことを言っている暇はないのだが、それでも、目先の議論だけでは見えてこないものがあるように思う。 思いつくままに考え合いたい点をあげれば、ざっと下記のようなことだ。 ・国が「教育の多様化」を言うようになった背景に何があるのか。 ・海外での教育の民営化=市場化の実情について。 ・雇用の流動化のなかでの、学校・教育の意味役割の変容。 ・「近代家族」「家庭教育」の位置づけと、その変容etc... つまり、いまの教育の置かれている状況そのものを考えないと、ちゃんと議論することができないように思うのだ。私自身、勉強不足なのだが、私の知るかぎりで、これはと思う書籍や資料をいくつか紹介しておきたい。 「多様な教育機会確保法案は危ない」桜井智恵子さんインタビュー (不登校新聞社つぶやきプロジェクト2015年6月20日) 『ブラック化する教育』(大内裕和ほか/青土社2015年6月刊) 『商品化された教育』(佐々木賢/青土社2009年11月刊) 『イギリス「教育改革」の教訓』(阿部菜穂子/岩波ブックレット2007年5月刊) 文科省「教育バウチャーに関する研究会」(文科省サイト内) これに加えて、手前味噌で言えば、 『迷子の時代を生き抜くために』(拙著/北大路書房2009年2月刊) も読んでいただけると、ありがたい。いまの状況にいたる構図を示すことはできているように思うので。 また、これは読んでおくといいという書籍や資料があれば、ぜひ教えていただきたい。

院内集会に参加してきましたが……

多様な教育機会確保法の院内集会に参加してきた。 率直に感想を述べれば、最初から「制定を目指す」と銘打たれてはいたものの、議事進行については、あんまりじゃないかと思った。議員が参加している集会中は、フロアからの発言はいっさい許されておらず、にもかかわらず主催者の用意していた「要請文」は全会一致で採択とされて、「議員のみなさん、よろしくお願いします」と締めくくられた。しかし、私が直接知るだけでも、懸念を持っているがゆえに参加している人も多くいた。 フリースクール側の発言としては、教育バウチャーへの懸念があること、個別学習計画の運用に懸念があることなどは、わずかに指摘されたものの(それでも指摘があったことは評価したいが)、全体としては賛成意見一辺倒で、早期に法案を可決して、懸念については運用面でクリアしたいという方向のみで話が進んだ。 国会議員からは、河村建夫会長のあいさつ、馳浩議員からの座長試案の説明のほかは、「みなさん、いっしょにがんばりましょう」というコメントが大半だった。 一方、事前に発言をしたいと申し入れていた人には、議員が退出したあと、文科省の職員が話を聴くということで、発言時間があった(また、数人はフロアからの発言時間もあった)。 私も、発言時間をいただいたので、大阪で緊急集会を開き、懸念の声も非常に大きかったことから、懸念についてアピールを出したことを簡単に報告し、その要点について、文科省への質問を含めて、おおむね下記の発言をした。 …………………………………………………………………………………………………… ・今法案は、フリースクールと夜間中学校が前面に出ているが、塾産業などは想定されていないのか。 ・義務教育民営化については、海外での先例の検証などを、省内でされているのか。 ・法案は学習の場の選択権を保護者にゆだねているが、保護者と子どものニーズが一致していない場合をどう考えているのか。 ・学校教育に対して自律性を持ったものが広がるのであればよいが、結果として、より成果主義的なまなざしが家庭に入っていくのであれば、ここに集まっている人の思いとは逆の結果を招いてしまう。 ・そのほか、懸念はいろいろある。なぜ、そんなに焦っているのか。今国会への提出というが、拙速はやめてほしい。充分に論議を尽くしてほしい。 ………

緊急アピール:ちょっと待った! 多様な教育機会確保法案

6月11日に開催した緊急集会には、不登校の親の会、フリースクール、居場所、不登校経験者、保護者、教員、研究者など、さまざまな立場から28名の参加があった。賛否さまざまで、踏み込んだ話し合いが行なわれた。本アピールは、関係者のなかにも懸念や危惧の声も大きいことから、その部分についてアピールするものである。そのため、集会参加者の総意による採択ではなく、有志による採択とした。 ※集会に寄せられたメッセージを、アピール文の後ろに、PDFにまとめている。 ちょっと待った! 多様な教育機会確保法案 緊急アピール 2015年6月11日 不登校・フリースクール等関係者有志 5月27日、超党派のフリースクール議員連盟が「多様な教育機会確保法案」の試案を示し、今国会中での成立を目指すと発表した。 法案の目的は「さまざまな事情で義務教育を充分に受けていない者(年齢、国籍に問わず)」に対して、教育機会を確保する施策を総合的に推進すること。試案では、保護者が学校以外で学ぶことを選んだ場合、「個別学習計画」を作成し教育委員会に申請し、教育支援委員会(新設)が審査・認定すれば、就学義務の履行と認め、保護者に経済的支援をするとしている。いわば、教育バウチャーである。 「年齢、国籍を問わず、教育機会を多様に確保する」という法案の趣旨に異論はない。これまでの画一化された学校教育が多様化する必要性もあるだろう。しかし、示された法案には、さまざまな懸念がある。拙速を避け、国会への提出より前に、以下の論点を含め、充分に論議を尽くすことを求める。 1.義務教育民営化への懸念 法案は、フリースクールと夜間中学校を支援対象としているが、教育バウチャーとなった場合、塾産業が参入してくることが考えられる。たとえば2004年の構造改革特区では、株式会社立の学校が相次いで設立された(ほとんどは広域通信制高校)。しかし一部の広域通信制高校では、教員ひとりに対する生徒数が多すぎる、レポート添削がマークシートのみ、事務体制の不備、管轄自治体が実態を把握していないことの問題などが、文科省の調査によって指摘されている。 アメリカやイギリスにおいては、「教育改革」の名のもと、教育の民営化=商品化が進んだことで、格差拡大など、さまざまな問題が起きていることも指摘されている。教育領域の市場

緊急集会の呼びかけ

各位 ご存じのように、多様な教育機会保障法案が議員立法として国会に提出されようとしています。賛成の意見も多いことと思いますが、さまざまな懸念もあります。 16日(火)には、東京の衆議院会館で院内集会が予定されていますが、なかなか、東京には行けない方も多いことと思います。 そこで、緊急集会を呼びかけます。 11日(木)18時半~フォロにて。 意見がまとまるようであれば、緊急アピールを採択したいと思います。 急な話ではありますが、ぜひ、ご参加いただき、率直に話し合えればと思っています。 ………………………………… NPO法人フォロ 山下耕平 〒540-0036 大阪市中央区船越町1-5-1 TEL:06-6946-1507/FAX:06-6946-1577 mail to: communitas@foro.jp URL: http://www.foro.jp/

フリースクールの自律性は……

いま、フリースクールなどをめぐって、さまざまに政治情勢が動いているが、「教育」という枠組みからだけではなく、考えておく必要があるだろうと思う。3年前に、社会学者の貴戸理恵さんと対談した冊子のPDFを 無償で配布 しているが、制度問題についても触れているので、よかったら、参考までにご一読いただきたい。 下記は、その一部(山下の発言部分)。 …………………………………………………………………………………………………… ●グレーゾーンの問題 私は、学校にしても、労働環境にしても、やっていけないという人たちを問題にするより、やっていけない学校や労働環境を問い直さなければいけないと思ってます。 しかし、現在の状況を前提とした場合(いま現在、その状況を生きているわけですから)、不登校やひきこもりというのは、グレーゾーンの問題と言ってよいのではないかと思います。ハッキリと病気や障害とは言えない、理由もハッキリしない、しかし、やっていけない。それゆえに、親にとっても、教師にとっても、医者にとっても、やっかいな問題で、だからこそ、問い直しの契機にもなっていた。簡単に腑分けできないわけですね。 やっていけない人を、障害や病気としたほうが、メインストリームを走る人には了解が得られやすい。あるいは当事者にとっても、そういうラベリングを引き受ければ、障害年金がもらえるとか、免罪されるというか、そういう面がある。 居場所の位置づけを考えた場合も、ラベリングを引き受けて、福祉の枠組であれば、制度に乗せることができる。逆に、稼働能力があるんだと証明しようとすると、教育制度、学校として認めてほしいということになる(図5)。 そもそも、稼働能力の有無で人を選別すること自体がまちがっていると思うんですが、グレーゾーンの問題を誰が支えてきたのかといえば、家族ですよね。それを家族だけで抱え込むのではなく、共助として広げたものとして、居場所が生み出されきた。そういう共助の領域がある程度あれば、制度に頼らなくてもやっていけるとも言えます。しかし、フリースクールなども、厳しい経済状況のなか、自律的な運営が難しくなってきている。そうなってくると、制度に乗せてなんとか運営を維持したいとなる。そこで、福祉か教育かということになってくるわけですが、私は、制度にのらないで支え合う領域がないと、