9.9集会の感想

先日の“ますます不登校の子どもが追いつめられる!? 9.9「多様な教育機会確保法案」緊急大検討会”は、豪雨のなか、100名ほどの参加があり、会場は満席だった。
話題提供者は、石井小夜子さん(弁護士)、内田良子さん(カウンセラー・子ども相談室モモの部屋主宰)、私(山下)、桜井智恵子さん(大阪大谷大学教授)、石川憲彦さん(精神科医)。これまで、なかなか議論できなかった、法案をめぐる、そもそもの論点がいろいろ提起され、非常におもしろかった。
いま、時間的余裕がまったくなく、きちんと報告を書くことができないので、くわしくは近日中に下記に動画や記録がアップされるはずなので、参照いただきたい。
http://150909.jimdo.com/

私の感想を一言で言えば、この法案を問う以前に、逆に、この法案(をめぐる動き)によって、私たちが問われているということだ。「多様な教育」とは何なのか、「フリースクール」とは何なのか、「普通教育」とは何なのか、「公共性」とは何なのかなど、時代状況の変化のなかで、さまざまなことが問われている。
少なくとも、「多様な教育」とは何なのか、広く共有できるコンセンサスは必要だろう。それが未成熟であるがゆえに、たとえば個別学習計画をめぐっても、「なんでもあり」か「学校化」かといった構図になってしまっているのだ。
それと、「異論を表明することが運動の分断になっているのでは?」という疑問も投げかけられたが、私は分断になっているとは思っていない。多様な教育と言いながら、多様な意見が出てきたら分断になるなんてことであれば、未成熟もはなはだしい。この法案をめぐって、異なる意見が噴出ていることは、よいことだ。それを結論ありきで対立するのではなくて、これを機会にきちんと議論しなければならない(だから、法案は拙速に国会に上程してはならない)。そうでなければ、法案がどうなろうと、「フリースクール」に未来はないだろう。

『地方自治職員研修』(公職研)から原稿依頼があって、10月号に、この法案について書いている。それと、『はらっぱ』(子ども情報研究センター)8月にも、法案について書いた。ご参考まで。

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