未然防止? 腐ったミカン? 不登校を減らすと言うのなら

「多様な教育機会確保法案への批判はわかった。だけど、現状の不登校政策(未然防止だの早期発見・早期対応だの)は、もっとけしからんじゃないか。それについてはどう思うのか?」ということを、いろいろな人から言われてきました。

 たしかに、未然防止だの早期発見・早期対応だの、「不登校はガン細胞扱いなんか?」とゲンナリします。「俺たちは腐ったミカンじゃねえ!」と往年のドラマの台詞でもかましたくなります。中島みゆきの『世情』でも流して、シュプレヒコールのひとつでもあげたくなる気分にもなりましょう(ネタが古すぎてわからない人も多いかと思いますが……)。

そんなに不登校を減らしたいのであれば、簡単に減らせる方策があります。私が文部科学大臣だったら、一瞬にして劇的に不登校を削減してみせるでしょう。どうするのか? まずは年間30日(もしくは50日)までは「不登校」とカウントするのをやめて、すべての児童生徒に休みをとることを積極的に推奨します。これで「不登校」は半減くらいにはなるんじゃないでしょうか? 何日休もうが「不登校」とカウントしなければ、夢の「不登校ゼロ」が実現です。誰もが安心して休める学校は、風通しもよくなって、いじめなども緩和されるでしょう。自殺まで追いつめられる子どもも減るかもしれません。もっとも、休みとなった日を塾通いに費やすなどの問題も生じるでしょうが、平日に部活までこなした後に塾通いしているよりはマシかもしれません……。

「不登校」(年間50日以上の長期欠席のうち病気や経済的理由をのぞいた「学校ぎらい」)がカウントされ始めたのが1966年(91年以降は年間30日でカウント)。50年も血眼になって不登校を数えたてて問題視してきたわけですが、そもそもは、その眼差し自体がまちがっていると見直すべきではないでしょうか?

不登校を立法事実として法案を考えるのであれば、そもそもの不登校の定義の土台から見直したほうがよいと思う次第です。

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