時間の流れは不可逆だが、季節はめぐる。

時間の流れは不可逆なのに、季節はめぐる。子どものころから、そのことが不思議でならなかった。イメージとして言えば、直線なのか円環なのか。時間はまっすぐに進んでいるのだろうか、それとも、ぐるぐると円環しているのだろうか。これを考えるだけで、宗教的な世界観まで含めた大きな問題になるのだと思うが、それはさておくとしても、時間の基準は、1年とか1日とか、地球の円周的な動きに拠っている。アナログの時計も、針はぐるぐるまわる。時間の流れは不可逆ではありつつも、まっすぐに流れているわけではなくて、ぐるぐるとめぐり続けているのだろう。

忘年会では、1年のくさぐさは忘れ去って、きれいさっぱり新年を迎えたいと思うが、忘れ去ったつもりのものも、めぐりめぐって還ってくることがある。ちょうど、ゴミとして捨て去ったものが、環境問題として還ってくるように。もちろん、誰しも忘れたいことはあって、「時間薬」というように、忘れることで癒やされるということもある。時間が過ぎ去ってくれるということは、切なくも、ありがたいものだと思う。だけど、忘れていたものが、めぐりめぐって還ってきたときは、自分にとって不都合なものであっても、目をつむらず、迎え入れることが大事なのだと思う。

神道の捉え方では、お盆は荒魂(あらみたま/まだ亡くなって日が浅く、人格を持った魂)が還ってくる時期で、お正月は、和魂(にぎみたま/浄化されて「カミ」になった魂)が還ってくる時期だそうだ。お盆にはかがり火で荒魂を迎えて、精霊送りで黄泉にかえす。お正月には和魂を門松で迎える。きっと、お盆に荒魂を何度も迎え入れているうちに、魂はだんだんと浄化されて和魂になっていくのだろう。忘れられたままでは、荒魂はあらぶってしまうにちがいない。

新しい年を迎えるが、忘れたいことも、忘れ去ってしまっていることも、還ってきたら、ていねいに迎えようと思う。



コメント

  1. 古城 沙也加2020年2月2日 22:37

    失礼ながら、
    どうしても連絡をとりたくてコメントさせていただきました。
    メッセンジャーを見ていただきたいです。
    お手数かけますが
    どうか、よろしくお願いします。

    返信削除
  2. 古城 沙也加2020年2月2日 22:37

    失礼ながら、
    どうしても連絡をとりたくてコメントさせていただきました。
    メッセンジャーを見ていただきたいです。
    お手数かけますが
    どうか、よろしくお願いします。

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