あらためて、多様な教育機会確保法案について

前国会への上程が見送られた「多様な教育機会確保法案」について、少し書いておこうと思う(この間は、づら研企画でオーストラリアに渡航していたりして、なかなか情報をキャッチアップできていなかったり、ブログに書く余裕がなかった)。
法案は、各党内でも異論が相次いで、各党内で調整をはかることになったと言う。とくに自民党内でも異論が多かったことから、当面の焦点は自民党(とくに文部科学部会)で、法案がいかに論議され、場合によって、いかに修正されてくるかになるだろう。9月15日の議連総会以降、これまでに自民党内で3回ほど勉強会が開かれたようだ。秋に臨時国会が開かれれば、そこに上程される見込みだ(しかし、そもそも臨時国会が開かれるのかどうか、わからない)。
この間、フリースクール全国ネットワークと多様な学び保障法を実現する会は、法案への理解を求めて、全国キャラバンを全国8カ所で開いている。
一方、不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワークは、臨時国会上程に反対する要望書を送るため、賛同者を募っている。第1次〆切が10月5日、第2次〆切が10月15日となっている。同ネットワークは、法案を白紙に戻すこと、もしくは夜間中学のみの法案とすることを求めている。
9月9日に東京・渋谷で開かれた集会でも、この法案をめぐって関係者が分断されることへの懸念が投げかけられたが、すでに議員のところのボールが行ってしまっている以上、ていねいな議論よりも、法案に賛成か反対かに二極化してしまうのは、ある意味でやむを得ないだろう。
私(山下)の意見は再三表明してきたところだが、現法案は白紙に戻すべきだと思っている。そのうえで関係者で議論をよく尽くすべきだ。現法案は、推進してきた人にとっても、意義のあるものになっているとは思えない。また、いったん白紙になれば、対話への回路も開かれるのではないだろうか。
留意すべきは、意見の相違をもって人格攻撃などをしてはならない、ということだろう。
また、国会上程への反対要望書などについても、賛同するかしないかが、ある種の踏み絵のようになってはならないと思う。私の知るかぎり、この法案に賛成する人にも反対や懸念を示す人にも、とても複雑な思いを抱いている人が数多くいる。
NPO法人フォロでも、上記要望書については、団体として意見をとりまとめることは見送り、各個人の判断にゆだねることにした。
ていねいに議論していきたいと、切に願っている。

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