安倍首相のフリースクール視察-2

9月10日、安倍首相がフリースクール東京シューレを視察した。視察のようすは首相官邸ホームページにアップされている。

◎首相の発言要旨は下記。


・生き方、学び方はさまざまでいろんな道があるんだということを多くの人に知ってもらうことが大切。
・子供たちが、いじめなどにより学校に行けなくなっているという状況から目を背けてはならない。
・不登校になっている子どもたちにとって、東京シューレのような場、さまざまな学びの場があること、そこでの経験を活かしながら、将来に夢を持ってがんばっている子どもたちがいるということを伝えていきたい。
・さまざまな生き方、学び方があるということを受けとめながら対応をしていくことが大切。
教育再生実行会議の報告書を受けて、学習面・経済面において、どういう支援ができるかの検討を文部科学大臣に指示する。

首相が不登校やフリースクールについて、このような発言をしたということは、政治的には大きな意味を持つだろう。ただ、首相の視察自体は、言うまでもなく政治パフォーマンスで、安倍首相自身が不登校やフリースクールを理解しているかどうかなどは、ほとんど関係ない。焦点となるのは、文部科学省が来年度に行なうフリースクールへの委託研究や有識者会議の設置などだろう(→概算要求資料)。しかし、政治パフォーマンスとしては最大級なので、良くも悪くも、大きなインパクトを持ったことはたしかだ。

懸念することについては、すでに書いた(2014.09.09)ので繰り返さないが、政治情勢に翻弄されるのではなく、無視するのでもなく、この機会に、関係する人たちが自分たちの見解をきちんと述べていくことが必要だと思う。それには、当事者の意見を集約するのではなく、多様な意見を多様なままに伝えていくことが必要だろう。それこそ「多様性」をうたっているのだから。

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